昔の人が込めた大切な意味が詰まっている、おせち料理

お正月のおせち料理は心温まります

お正月には、年の神様が来て、年が新しく生まれ変わります。年の神様は年神といい、農耕をつかさどる神でもありました。農耕が生活の中心にあった日本では、各家に年神を迎え、もてなすことによって一年の豊作を祈ったのです。

おせち料理も本来、年神に供えるための料理でした。日本では古来より、収穫したものをまず神に供える慣習がありました。そのお下がりをいただくのを直会(なおらい)といい、神の持つ力をいただくことを意味しました。

おせち料理の重箱の意味

おせち料理を重箱に重ねるのにも意味があるのです。それは、よいことが重なるようにとの願いです。さらに五段重の場合、四段目を「与の重」と言うことで「死」のイメージを避けています。

一番上の段は何も入れない控え段とし、現在が満杯の状態ではなくこれからまだ富が増えますようにとの意味を持たせていると言われています。

昔の人の込めた大切な意味がぎっしりと詰まっているのですね。

おせち料理の献立に隠された意味

栗きんとん
黄金色の小判をイメージした栗きんとんは、財産がたまるようにという願いがかけられています。

黒豆
黒豆には、まめに暮らせるようにという願いがこめられています。

田作り
江戸時代に高級肥料として片口いわしが使われたことから豊年豊作を祈願します。

昆布巻
昆布は「喜ぶ」、巻は「結び」を意味しています。

かまぼこ
赤は魔よけ、白は清浄を意味しています。

くるみ
くるみには、「実り」と「家庭円満」への願いがこめられています。「家庭円満」は、くるみの硬い殻が家庭を守ることに由来しています。

数の子
数が多いことは良いことであり、子孫繁栄になぞらえています。

紅白なます
人参と大根で紅白のおめでたい色を表し、平和の願いがこめられています。

海老
腰の曲がった姿を老人に例え、長寿の願いがこめられています。

伊達巻
巻き込んだ形が、進化、教養、文化を表しています。

たたき牛蒡
豊年と1年の息災を願う食材です。

里芋
子芋がいっぱい付く里芋は、子宝にめぐまれるようにという願いがこめられています。

くわい
芽が出ること、また子球がたくさんとれることから子孫繁栄への願いがこめられています。

おせちをいただく時につかう祝い箸にも由来があります

柳でつくられた白木の丸箸で、両端が細くなった「両口箸」なのは、神人共食の機会であるお正月に片方を神様、もう片方を人間が使うためです。長さも末広がり縁起担ぎに八寸(約24cm)にするなど、細かいところまで意味合いや願いが含まれています。

来年からはシラサカ家のおせち料理を大切につくっていきたいと思います!

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